ロンドンを無視したアームが米国IPOのスタート号砲を発砲
ケンブリッジに本拠を置くチップメーカーは、ロンドンに進出するというリシ・スナック氏からの申し出を拒否した
英国のチップ設計者アームが、今年最大の上場となると予想されるニューヨークでの株式公開を正式に申請した。
ブルームバーグの報道によると、ソフトバンクが支援する同社は9月第1週に投資家向けロードショーを開始する予定で、ケンブリッジに本拠を置く半導体メーカーは翌週に新規株式公開(IPO)の価格設定を計画しているという。
大いに期待されていた米国でのIPOは、リシ・スナック首相がロンドンに上場するか英米二重上場を追求するようアームを説得できなかったことを受けて行われた。
ロンドンではなくニューヨークで上場するというアームの決定は、通常バリュエーションが高いウォール街に対してシティが競争力を失いつつあるのではないかとの懸念を強めている。
この上場は、日本の複合企業の投資部門であるソフトバンクのビジョン・ファンドが2016年に240億ポンドで買収するまで、以前はFTSE 100のメンバーであったArmの公開株式市場への復帰を示すものである。
月曜日に米国証券取引委員会に提出された書類によると、世界のスマートフォンの約90%に製品が搭載されているハイテク巨人は、ティッカーシンボル「ARM」でナスダックに上場する予定だと述べた。
申請書には、「世界が人工知能と機械学習対応コンピューティングに向けてますます移行する中、Armはこの移行の中心となるだろう」と述べられている。
この申請書にはアームの予定売出価格や発行予定株数は明らかにされていないが、同社は過去最高となる700億ドル(550億ポンド)の評価額を求めていると伝えられている。
ソフトバンクはまた、上場により80億ドルから100億ドルの調達を目指しており、これは英国企業の浮動株化としては過去最高となる。
アームが取引を開始した後も、ソフトバンクはアームの支配株主であり続ける。 提出書類によると、同社はビジョン・ファンドのアーム株25%のほぼ全額を161億ドルで買い戻した。
この文書はまた、アームの財務実績が昨年の世界的なスマートフォン出荷の減速によって打撃を受けたことも明らかにした。
Arm の総売上高は、3 月 31 日終了年度に 1% 減の 26 億 8000 万ドルとなりました。その後、グループの売上高は、6 月 30 日終了の四半期には、前年同期と比較して 2.5% 減の 6 億 7,500 万ドルとなりました。
ウォール街の投資銀行ゴールドマン・サックスとJPモルガンに加え、日本のメガバンクみずほがこのIPOの監督に任命された。
アームの最高経営責任者(CEO)レネ・ハース氏は上場により現金と4000万ドル相当の株式を受け取る予定だとタイムズ紙は報じた。